実は数日前に読了していた本の感想。
■本多孝好『WILL』
『MOMENT』から7年後、今度は森野を主軸にした連作短編です。
森野葬儀店が関わる3つのエピソードと、神田とのこと、そして両親のこと…
「プロローグ」から始まり「空に描く(REPRISE)~エピローグ」まで、一話ずつ読んでもいいけど、一冊で読むとその構成にいつも溜め息が出てしまいます。
ほんとに本多さんは連作短編お上手です。
特に「想い人」と「空に描く」「空に描く(REPRISE)~エピローグ」の3編は圧巻。
「爪痕」は少し怖い。『ALONE TOGETHER』に近いかもしれません。
泣くぞ泣くぞと思っていたら、案の定泣きました。
いや、もう、時間ネタ弱いとあれほど…!(いいがかり)
<ネタバレ>
最後の森野のご両親の葬儀やりなおしは、完全に涙腺決壊してました。</ネタバレ終了>
新幹線の中でぼろぼろ泣く20代の女…なにごとかという感じだったかも。
『MOMENT』を読んでなくても十分に楽しめると思います。
少しだけミステリのテイストもありつつですが、謎解きというよりもその裏側、死んでしまった人たちの、遺された人たちへの愛情が胸に響く、素敵な1冊です。
[0回]
PR