ネットを彷徨っていると「この人すげぇ!!」と思える人やお話に少なからず出会えます。
そして
「うわぁやられたぁぁ」
とか
「なんでこんなに書けちゃうんだ…」
とか、のた打ち回るような感覚になります。
それは自分が文字書きのせいなのか、テキストなことが多いです。
そういうときは「やられたぁぁ」っていう悔しさに似たものと同時に、
「こっちもがんばるぞー」とか「同じレベルにいきたい」とか、
そういうプラスの感情が沸き立ってきます。
でも、本当に、ごく稀に、そうでないものに出会います。
読んで、エネルギー全部とられてしまうような感覚。
『趣味に合わない』のではなくて、その全く逆。
読んだ瞬間に茫然自失、もちろん、凄い話を読んでしまったという歓喜もあるのですが、同時に、
どうしてこれを描けるのが私でなかったんだろう
どうしてこういう話を表現できる力が私にはないんだろう
と、悔しさよりも嫉妬に近いどろどろした気持ちになります。
それに出会ってしまうと、パタリと何も書けなくなります。
何をかいてもどんな筋にしてもどんな表現を使っても、そのお話の出来の悪い模倣品にしか思えない。
自分は真似をしているだけ、少し違った表現で書き換えているだけと感じてしまう。
当人にしてみれば知らないどこかでそんな風に思われているなんて、知る由も無いし心外極まりないと思うのですが…
二次創作はそういうものではないと理解はしているつもりなのですが、どうにもこの感覚だけは抜けません。
ネットを始めてもう10年近くなりますが、今までそういうお話に出会ったのは2回だけです。
最初は大学時代、ぼんやりとサイトを作ってみたいと思っていた頃で、それに出会って、作る気をなくしました。
それから1年半ほど経ってLaterna Magicaを始めましたが、やはり同じジャンルの話は書けませんでした。
しばらくそういう感覚を忘れていたのですが、この前数年ぶりにそういう話に出会ってしまってこんな徒然書きです。
幸い、キノではまだそういうお話に出会っていません。
もし出会ってしまったら、今ストックしている話を全部手放してしまうんじゃないかと怖いので、そうなる前に書き上げられればいいのですが。
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