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アニメと本と音楽とチョコレートとお酒の日記
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2024/04/24 (Wed)
平日も土日も無関係にバイトしたりしなかったりなので、もはや曜日の感覚が希薄です。


歌野晶午『絶望ノート』読了。
『むぎふみクーツェ』をかしてくれた友達が一緒にかしてくれた一冊。

あー…なんていうかねぇ…途中までがすごい、ほんと胸焼けがしてくるぐらい嫌な本(苦笑)
歌野さんは『葉桜の季節に君を想うということ』『女王様と私』を以前読んだのだけど、やっぱり叙述トリックな物語です。
なので、あんまり結末については触れません。

主人公は中学2年生の太刀川照音(たちかわしょおん)。
名前のことでからかわれ、いじめられている彼は、『絶望ノート』なる日記にいじめの様子を書き記し、自分で作った神様に、いじめっ子を殺すように祈るようになる。
はたして、祈ったとおりにクラスメイトは次々に怪我をしたり、死んだりしていく…

…それなんてデスノ?

っていいたい話ですが、死神は出てきません。頭脳戦でもありません。
どきどきはらはら、よりはざわざわぞわぞわって感じの話。それも、悪い意味で。
でもつまらない本ではないところがまた性質が悪い。

照音をいじめる是永や庵藤、ジョンレノンかぶれでニートの父親といつも家計のことで頭がいっぱいの母親、照音が思いを寄せる国府田さん、担任の久能先生と副担任の来宮先生等々…「絶望ノート」をめぐって色んな人がそれぞれに動いているのに、巧妙にはぐらかされて隠されて、それぞれの全貌を結びつけることができません。
一種の群像劇ともとれるこのミステリー小説、ラストもなかなか苦い物語です。


さて、その友達に借りたのは残すところ『ドグラ・マグラ』だけ。
けれどこの本…「読んだものはみな精神を病み…」なんて裏表紙に書いてあるとなかなか手が出ないものです。

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2010/10/21 (Thu) Trackback() Comment(0)
石田衣良ほか『ひと粒の宇宙』。

お盆に実家に帰省したときに、友人を待つ時間のお供に買った短編集。
総勢30名のジャンル不問なお話が詰まった一冊です。

もうね、いしいしんじさん、石田衣良さん、伊集院静に歌野晶午と50音順最初4名だけでもすごい。
最近お気に入りの大崎善生さん(『九月の四分の一』がすばらしい!)、
SFの名手・筒井康隆さん(『時をかける少女』があまりに有名)、
芥川賞作家・平野啓一郎さん(『日蝕』が当時は理解できなかった…)、
クラフト・エヴィング商会・吉田篤弘さん(『すぐそこの遠い場所』が素敵!)
etc,etc・・・
ひとつひとつは数ページなので、読むのも苦にならない。
おいしいところをつまみ食いできるお得な短編集(^▽^)

どんな人でもひとつは好みのお話が見つかるんじゃないでしょうか。
個人的には
いしいしんじさん『ミケーネ』
佐野洋さん『あり得ること』
が好き。特に『ミケーネ』は一番すきなんですが、読んだあと「これ好きだな」って思って改めて著者を見るといしいさんで、ちょうど『麦ふみクーツェ』を読みきったあとだったので、勝手に感動してました。

話を書くことがずっと頭の片隅にあるときは基本的に長い話を読めなくなる(時間的にではなく精神的に)ので、カンフル兼ねて短編集を買うことがままあるのですが、これもそのひとつでした。

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2010/10/05 (Tue) Trackback() Comment(0)

いしいしんじさんの『麦ふみクーツェ』読了。
いや、これは期待以上にすごかった。かしてくれた友達に大感謝。

主人公「ぼく」とクーツェと音楽をめぐるお話。
お父さんはへんくつな数学者で、おじいさんは気難しいけれど一流のティンパニスト。
クーツェの足音や、町の吹奏楽団から始まり、音楽学校、盲目のボクサーと彼の友人のチェリスト、船乗りたちetc,etc..
群像劇ではないのだけれど、たくさんの人たちと、エピソードがゆっくりと絡み合って、読んでいて涙が出そうになります。
個人的におうむの話と孤独な恐竜の話が胸をつく。

このお話の魅力を伝えられるだけの言葉がないのが口惜しいです。
説明しようとすればするほど無為になってくかんじがするのです。。。
最近長編を読めなくなってしまって、短編集ばっかり読んでいたんですが、ちょっとこれは例外。
エンタテイメントではなく、いずれ古典になるであろう一作です。

と、いうわけでとりあえず読んでみてください。おすすめ。

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2010/09/06 (Mon) Trackback() Comment(0)
雫井脩介『クローズド・ノート』読了
6月末には読みきっていたんだけど。

もうだいぶ前だけどS尻譲が「別に…」とのたまったアレの原作本です。
勝手にミステリーだと思い込んでたら違った。
青春小説?叙述トリックといえば叙述トリックなんだけど。

主人公は堀井香恵という大学生の女の子。
万年筆や児童文学や音楽や絵といった小物が随所に出てくる。
どんな話か、と訊かれると説明が難しいなぁ…
クローズド・ノートが物語を牽引するけれど、主人公に寄り添うストーリーテラーみたいな感じ。
悪い意味ではなくて、ここが!という見せ場がない。
そういう意味では大崎善生さんとか本多孝好さんに似てるのかもしれないけれど、これもちょっと違う。
すっごく良い!ってわけでもないけど、悪くはない…みたいな。
たぶん感情移入ができないからなのかなぁ。
もともとそれほど物語の登場人物に感情移入することはないのだけど、どうもすとんと落ちてこない。

なんか変な感想になってしまったな^^;

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2010/07/20 (Tue) Trackback() Comment(0)
大崎善生『アジアンタムブルー』のこと。
パイロットフィッシュのことは前に書いてました。ははは。

主人公は編集者に勤める山崎。パイロットフィッシュと同じ。
それから彼の恋人の葉子と3人の女性。

葉子を癌でなくした山崎の、追想録のような小説です。
これはねぇ…最後でちょっと、ベタなんだけど泣いてしまう。
SM女王のユーカがすごく良いのです。あと(青)。
あいかわらず盛り上がりがなくて(悪い意味じゃないよ)、中盤ちょっと冗長かなぁと思わないでもないのですが、でもなかなか良い物語でした。
私は通勤途中に読んでいたのだけど、たぶん一気読みしたほうが面白い。

大崎さんはブリティッシュロックとフランスがお好きなんだろうな。
短編集『九月の四分の一』のことがちらちらと頭をよぎりました。

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2010/07/12 (Mon) Trackback() Comment(0)
石田衣良『夜を守る』読了。

読んだ本の量に文才が正比例すればいいのに、と思いながら、シティからこっち、インプット強化キャンペーン中です。
ほんとは2週間ぐらい前に読みきってた。あはは。
大崎善生さんの『パイロットフィッシュ』と『アジアンタムブルー』はまた後日。


上野の街を守るガーディアンの4人の連作短編。
…というとすごいかっこよさそうなんだけど、基本的に地味です。
『IWGP』シリーズに似てる。
舞台が池袋か上野か。
あとはマコトはトラブルシューターで、アポロたちはガーディアンって違いくらいで、やくざ系な人たちももちろん出てきます。
ほんと好きだよねぇ、やくざ。

ご都合主義だとかあんあり深く考えちゃいけない、エンターテイメント小説です。
タイトルの言葉は、田舎から上京してきて東京は冷たいって嘆く依頼人(?)に主人公の仲間の一人が言う台詞。
だから東京って好きなんだよ。
東京のガーディアンというと、こないだ渋谷のガーディアンエンジェルスを見かけたくらいなんですが、なんだかんだ言って東京に住む人たちって自分の街のこと好きだよね。
街全体でパフォーマンスイベントやったり、自警団が動いてたり、一斉清掃があったり、自分の街を楽しくしよう、良い街にしようっていうのが若い人中心で自発的に起こるから、あのエネルギーに吸い寄せられて色んな人が来るんだと思います。

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2010/07/04 (Sun) Trackback() Comment(0)
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