いしいしんじさんの『麦ふみクーツェ』読了。
いや、これは期待以上にすごかった。かしてくれた友達に大感謝。
主人公「ぼく」とクーツェと音楽をめぐるお話。
お父さんはへんくつな数学者で、おじいさんは気難しいけれど一流のティンパニスト。
クーツェの足音や、町の吹奏楽団から始まり、音楽学校、盲目のボクサーと彼の友人のチェリスト、船乗りたちetc,etc..
群像劇ではないのだけれど、たくさんの人たちと、エピソードがゆっくりと絡み合って、読んでいて涙が出そうになります。
個人的におうむの話と孤独な恐竜の話が胸をつく。
このお話の魅力を伝えられるだけの言葉がないのが口惜しいです。
説明しようとすればするほど無為になってくかんじがするのです。。。
最近長編を読めなくなってしまって、短編集ばっかり読んでいたんですが、ちょっとこれは例外。
エンタテイメントではなく、いずれ古典になるであろう一作です。
と、いうわけでとりあえず読んでみてください。おすすめ。